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本館SANDWORKS Lab.のSS活動用分館■とらドラ!の大河×竜児SSなど。甘々コメディとラブエロとがあるので注意■本館には右下のリンクからどうぞ
29 . March
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06 . September
「お願い、今夜はあんたの優しさに溺れたいの……」「まぎらわしい言い方すんな!? ほらよ、つゆだくな、おまえの牛丼」「えーっ、肉だくは?」「ねえよ」おまえら何してんだ?(u ・ω・)せーぶるです

というわけでまあ、BBSも作ったわけですが。サイト運営経験だけは長い私ですので、こういうBBSがいきなり機能するとは楽観してません。交流する場が欲しいよね、というコメントを頂いたことだし、無いよりマシかなーくらいの気分で作ってみた次第です。そんな予想を越えて賑わったりすると嬉しいんですけど。ちなみに私は毎日、チェックして書き込んだりしてみます。

さて今回も、例によって竜虎にお題丸投げSS、牛丼屋に行ってもらいました。どうなることやら。それでは大河×竜児SS、対話形式、「牛丼屋に来たの」をどうぞ

***
・牛丼屋に来たの
 
「牛丼一丁ぅっ!」
「おい、おまえ……! こっちだ、こっち……!」
「なによあんた、うっさいわね。へいお兄さんっ! 牛丼一丁……へ? なに? 券売機? あれ?
 あれはウチの駄犬……売機……」
「だから言ったろ……」
 とことことこ。
「竜児、頭出して」
「はぁ、頭? こうか?」
 ぽかっ。
「いてっ!? おまっ、なんでぶつ!?」
「どうして券売機のこと教えてくんないの!? 恥かいちゃったじゃないよ!?」

「俺呼んだぞ!? おまえが入るなりカウンターに突進したんだろが!?……あ、あー、俺としたことが
 ……大河、以後ひそひそ声だ。マジ頼む、追ん出される」
「わ、わかったわよ……」
「……で、なんにする? 大河」
「え? なんにするって。牛丼以外、なんかあるわけ?」
「おまえどこまでわき目もふらねえんだ、外にポスターもあったろ? ほら、ご覧の通りだ、
 ここは他にも定食とかカレーとか、選べんだよ」
「外のポスターって、別の店の宣伝だと思ってた……おお……」
「さ、なんにする?」
「どっ、どどど、どうしよう? な、なんにしよう? なんにしようねえ竜児っ!?」
「おまえほど券売機前でときめいた女もいねえだろな……まあ、牛丼でいいんじゃねえか?
 おまえ、牛丼目当てで来たわけだし」
「うむむ、そ、う、だ、ね、え……」
「じゃあおまえ、牛丼な」
 ピッ。
「あ、せめて大盛りに……」
「遅えよ。てか、並でも結構量あるから充分、って泣くほどのことじゃねえだろ!?」
「うぐ……りゅ、竜児は何にすんのよ」
「まあ、俺も牛丼かなあ。ひさびさに試すか」
「えーっ、そんなのつまんない! あんたはこっち!」
 ピッ。
「おま、勝手に押すな!? だいいちつまんねえってなんだよ……って、あー、豚焼肉定食ね。
 まあいいか……」
「あとカレーも」
 ピッ。
「だから勝手に押すなって!? もうおしまい! 返金!」
 チャリチャリチャリーン!
「えーっ、もっと……」
「もっとじゃねえよ。あーあこれ、食いきれんのか……? マジで量あるんだぞ、結構」
「大丈夫大丈夫! さ、しけたツラしてないで、とっとと座る! あ、んん……んみゅ?」
「変な声出すな。どした」
「ね、竜児、どこ座るといいの……?」
「迷子ヅラすんなよ、どこでもいいんだよ。店員さん困ってるだろが。まあ、カウンタ……あれ、
 奥、テーブル席あるな。あっちにしようぜ、せっかくだ」
「うん!」
 てくてく、とことこ。
「よっと。テーブル席なんて出来たんだな……」
「よっこらしょーい! ふいーっ!」
「なんでひと仕事終えた感だおまえ……あ、食券。これ、お願いします」
「お水、飲ぉーもおっと……んぐ、んぐ」
「宣言もいらねえぞ……」
「……あれ? ちょっと、竜児。汚い耳かして……!」
「汚い余計だよ……おう、なんだ……?」
「おしぼりないの? ここ」
「ああそうだ、ここは……出ないかな。まあ、こんなこともあろうかとだ。持って来てる、これ使え」
「合点だ! ……おててを拭きましょうねーっと」
「なんかおまえテンション高けぇな……ああ、そうか、はしゃいでんのか……」
「ん? なに? なんか言ったキモ犬?」
「ひでえのは変わらねえか……なんでキモ犬だ」
「だってなんか、ニヤニヤしてんだもん」
「え? してたか俺。してねえだろ」
「ううん、してた。私見て、キモキモ! やめてよね、食事前なのに!」
「おまえの食欲が落ちるほどなのか、俺の笑顔は……あ、サラダ来た。豚定、俺です。ありがとうございます」
「……あれ? サラダ私のは?」
「おまえ牛丼単品だろ? サラダはねえよ。ああ、そうか、サラダはつかねえんだった」
「えぇっ、ひどい……っ。しかも二回言った……うぐ」
「いやいや。おまえ食え、これ。野菜は大事だ」
「えっ? くれるの? ぜんぶ?」
「ぜんぶかよ。まあいいよ、それでも」
「あ、ありがと……竜児は、どうすんの?」
「なにがだ? ああ、サラダか。まあ追加で買ってもいいんだが……」
「買いなよ、追加で。野菜は大事!」
「ふっ……まぁ、いいわ。俺は」
「えーっ。じゃ、じゃあ、半分こする……」
「いいんだぞ、全部食べても」
「やだ、半分こするの!」
「なんでムキだ……いいよ。じゃあまあ適当に残せ。てか、取り皿もらうか? あんのかなここ」
「いらないよ取り皿なんて……あんた、いるの?」
「俺か? いや、俺は……俺はべつにかまわねえけど、おまえがいるかと思ってさ」
「私はいらない」
「お、おう。そうか。イマイチおまえの基準がわからねえが……ま、いいや。食え食え」
「うん。んじゃお先に、いっただっきま」
「お、来たぞ。カレーこっちです、牛丼はそっちで。ありがとう」
「わーい、牛丼!」
「おう、まさしくな。じゃあ、食おうぜ」
「うんっ! いっただっきまーす!」
「よしよし、いただきますっと」
「あーん、っと」
 ぱく。もぐもぐもぐ……ごくん。
「……どうだ? ってか、テンションモロ下がりだな……」
「わかる? あのさ、竜児……」
「なんだ、耳か……どした」
「……牛丼って、こんなん……?」
「……こんなんじゃねえか? どした、不味いか?」
「……不味くはない、けど……あんたの牛丼のが美味しい……」
「おう……そ、そりゃあ、嬉しいけど、よ……」
「……照れんな、キモい」
「……耳元で罵んなよ……っと、あ、すんません。豚定、えっと。ここらへんに置いて下さい。どうも」
「うわあ……け、けっこう、ありますな……?」
「ありますなじゃねえよ、言ったろ? どれも基本、ウチで言えば大盛りなんだよ、ここの。
 まあ、おまえの食欲に期待……」
「……」
「……できねえのか……? まあ、がんばるべ。食うぞ、大河」
「……」
「……マジか、一口で牛丼だめか。あー、じゃあほら。カレーと交換だ、大河」
「いつもすまないねえ……」
「それは言わない約束だろ……どうだ、カレーは」
「おお? これは……もぐもぐ……なんか、意外に、わりと……?」
「おう、そうか。まあよかった。ここ、むしろカレーのファンってのも多いらしいからな」
「えっ? じゃあ、牛丼は? やっぱ吉牛とかのがいいわけ?」
「いやあ、どうなんだろうな。そう言う人もいるけど、俺は正直たいして違わねえと思う。
 てかな、牛丼てのがそもそも、どうにも完成した食い物だって感じがしねえんだ、俺には」
「完成……?」
「うん。たとえばな、カツ丼とか親子丼とかは完成した丼だと思う。素材だ卵のとじ具合だとかは、
 まああるけど、そりゃ腕とかの問題でさ。基本は変わらねえ、てか変えようがねえ。変えたら別モンになる」
「ふんふん」
「あとな、豚丼ってのもある。いや、ここにもある牛丼の煮汁で煮ただけの、ぶっちゃけ適当な
 ヤツじゃなくて。北海道の豚丼だ、十勝だかの。これはいっぺん食ったことがあるだけだけど、
 よく出来てた。基本はうな丼のたれで豚ロースを焼く、いわば豚の蒲焼なんだが、
 こげも香ばしくて美味いし、なにより火が通っても豚は充分に柔い。これも基本、完成してると思う」
「おお……豚丼食べたい。食べに行こ、竜児っ!」
「こ、今度な……? そこでだ、問題の牛丼なんだが。俺の牛丼食べたろ? 大河」
「うん。てか、食べたに決まってるじゃないよ。そんで、専門店と比べたいーって、ここ来たんだもん」
「比べたいとか言ってたか? おまえ。ひとりじゃ入れない、入ったこと無いから連れてけ連れてけー
 って、駄々こねられた記憶はあるんだが……」
「う、うっさいよ!? そっ、それで、あんたの牛丼食べたから、何?」
「おう、それさ……いや、さっきはおまえ、俺のが美味いって褒めてくれたけど、それでもまあ、
 あのくらいにしかならねえんだよ。ぶっちゃけ、すげえ美味いってんじゃ無かったろ、俺のも?」
「うん!」
「うおお、いい返事傷つくな……まあでも、そうなんだよ。俺もわかってる。でな? 俺はあの煮汁、
 砂糖炒ってカラメル作るところから入ってる。牛もまあ、そこそこのヤツの切り落としだけど、
 しゃぶしゃぶの要領でささっとくぐらせて、レア気味の食感にして。レシピ的には完璧なはずなんだ、
 てめぇで言うのもなんだけど。それでまあ、ようやくここよりちょっとは美味くなるわけだ。
 でも、そんだけだ。どうしてもそれ以上にならねえ」
「な、なんか難しい話になってきたね……科学?」
「料理だよ。まあ、科学……いや、料理だ。まあつまりな、基本のレシピがまだ弱いって感じがするんだよ、
 牛丼は。未完成なんじゃねえかな、もっと詰めれる気がする」
「ふんふん」
「てかな、牛がそもそも難しい肉なんだよ。薄切りにしても、火が通ればすぐ硬くなる。牛はやっぱり、
 厚めに切ってレアに焼くか、煮込んだ方が柔らかくて旨い。火がしっかり通るやり方で薄切りにする
 ってのは、薄くしねえと硬くてしょうがねえから、仕方なくそうしてるだけなんじゃねえかって気が」
「竜児……竜児……!」
「するんだよなあ、まさに苦肉の策……って、なんだ、どうした大河」
「店員、睨んでるよ……」
「うわやっべ。俺、声大きかったか? す、すんませ……」
「店員、奥に逃げたよ……あんたチラって見たから」
「お、おう。う、うん、まあ、なんだ? しばらく来れねえなここ……って、あれ? 俺の豚焼肉定食は?」
「食った」
「うぇ!? か、カレーもたいらげた後でか?」
「うん!」
「じゃ、じゃあ俺は……この、牛丼か」
「そう、あんたはその、イマイチと力説していた牛丼を食べるがいい! ……ぷくくっ!」
「鬼かおまえは……」
「ん……でもね? 竜児。ほんとはね?」
「なんだよ?」
「あんたの牛丼、とっても美味しかったよ? すっごく、美味しかった」
「おうっ? おう、そうか。そりゃ……あ、あんがとよ……」
「うん……牛丼だけじゃなくてね? いっつも、いっつも、美味しいの……あんたのご飯、大好き。
 ありがとね、竜児……」
「あ、ああ。そうか。な、なんだよ、大河、急に……いや、なんてか、ま、まいったな、俺。
 す、すげえ嬉しい……ぞ……」
「ん……だからね? 竜児……」
「お、おう。なんだ? た、大河」
「だから……今はそのイマイチな牛丼を食うがいい……ぷっ!」
「お、おお、おおお、おおおおお……この、鬼っ! てかおまえ、サラダどうした?」
「ぜんぶ食った」
「やっぱ鬼だ! 鬼だおまえは、大河!」
 
***おしまい***
 
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